ネットで検索すれば、たくさんのクリニックや心療内科を見つけられるでしょう。

 最近は、「オンライン・カウンセリング」というものもあります。

 サムさんが、ちゃんと話を聞いてくれるカウンセラーや精神科医と出会えたらいいなと思います。

 というか、あきらめずに、粘り強く、サムさんの話を親身になって聞いてくれるカウンセラーか精神科医を探して欲しいと心底、思います。

 薬だけだして、話をちゃんと聞いてくれない先生は、申し訳ないですが、すぐにやめることをお勧めします。

 今の苦しみを少しでも減らすためですから、サムさんにぴったりの先生に会うまでは、辛抱して探し続けて下さい。

 そして、そういう人に出会えたら、サムさんが今抱えているつらさをゆっくりと、全部、話して下さい。

 母親に言うべきかどうかに悩むのなら、そのことも、カウンセラーや精神科医と、ゆっくりと話しあえばいいと思います。

 そして、もし母親に話すと決めたら、その後も、カウンセラーや精神科医のサポートを受けるのがいいと思います。

 サムさんがそんな人と出会えることを心底、祈っています。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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