各種の世論調査で、菅義偉首相の支持率が軒並み下落している。5月の毎日新聞の世論調査では菅首相を支持する、と回答したのはわずか31%だ。

 また共同通信の調査で、菅首相の新型コロナウイルス対策を評価すると答えたのは13%、評価しないは71・5%に上った。菅首相の新型コロナウイルス対策の不手際が理由となっている。

「菅首相は世論がどんなに反対しようと東京五輪・パラリンピック開催を強行する気です。やりさえすれば、支持率は挽回できると信じている。その胆力たるやすごい。中止はまったく考えていない。緊急事態宣言下であろうが、突っ走るでしょう。東京ではインド変異株が広がりつつあり、いつ感染爆発になるかわからない。そうなればとても菅政権はもたないだろう。菅首相の後見人の二階(俊博)幹事長、ポチと呼ばれる武田総務相も一緒にクビが飛ぶでしょう」(自民党の閣僚経験者)

 菅政権が倒れると二階氏の責任も問われかねず、共倒れの危険性もある。そして二階氏は2019年の参院広島選挙区で河井克行被告、案里夫妻に自民党本部から支出された1億5千万円の問題でも窮地に陥っている。

「二階さんは菅首相が親しかった河井夫妻への1億5千万円問題も当初、『関与していない』とわれ関せず。批判を浴びると『責任は(安倍)総裁と幹事長』と修正するなど迷走している。東京五輪についても『無理と判断すればスパッとやめればいい』と菅首相を突き放すような発言をしたりし、距離を置いている。そろそろパーティを開催し、派閥の結束、資金力の強化をしたいとの思いが強い。武田氏が現職閣僚なのにパーティにこだわるのは、二階派を引き継ぐのは自分だという自負からで、こういう時期でも朝食会を開催し、存在感をアピールしたかったのではないか」(二階派の衆院議員)

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今秋の総裁選で「菅首相の次」