「福島で農家をやっている人は今、何に困っているのか?」とか「除去土壌の再生利用をどう思いますか?」とかを考えていく内容で、YouTubeで流しているので全国の人たちが観られるわけですよ。これをテレビで放送したら視聴率は大した数字にならなくて、観ている人は少ないかもしれない。

 要は福島の地元のテレビ局がテレビの電波を使わずに、全国に発信するにはYouTubeしかなくて、だからYouTubeでやっている。それには、地元のテレビ局の本気が伝わるし、すごくいい試みだと思ったんです。テレビ局の技術を使って、局のアナウンサーを出して、今の福島の現状を知ってもらおうという気合が感じられる。

 今、必要なことって改めて知ってもらうことで、東日本最震災から10年経って、東京電力福島第一原発で事故が起こって復興してきたところは復興しているけれども、まだ住めないところや帰れない人たちもいる。今回のイベントのテーマだった除去土壌の中間貯蔵施設もあったり、そうした現状を全国に知ってもらおうという動きだと思うんですよね。

 僕は、コロナが収束したらですが“福島に遊びに来ませんか?”という立場を貫いています。僕はとにかく知ってもらいたい。それで、今回のイベントは環境省の取り組みが始まったので、そこに乗ったというのが理由。福島の話をすると、いろいろな施策に対して「反対」の人は反対でもいいです。でも、福島の現状を知らない人がいるから知ってもらいたい。お願いだから、福島、見てもらえませんか? という活動です。

 いまだに、福島のことを何も知らないで、福島県に入るとチェルノブイリ原発に入っていくみたいなイメージを持っている人もいるわけですよ。違うよ、そういうことじゃないよ、この地域には暮らしている人もいる、この町は今は入れないけど何年後かには入れるように動いているとか、とにかく知って欲しい。

 今回のイベントのような取り組みを始めるのは悪い事じゃないけど、小泉進次郎環境相に対していろいろな意見も言う人たちもいる。文句を言われようが、それをやろうと思った小泉進次郎環境相は若くてイイなと思った。小泉進次郎環境相とは福島のことを語り合ったこともある。

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俺のことを笑ってくれていいから、知って欲しい