「打った時の盛り上がりは凄かった。入場制限もあって観衆は9679人だったが、そんなことは一切感じさせない熱狂状態。客が入っても白けた雰囲気だった近年のドームが、最高潮になった。初本塁打が満塁弾というのも、何かを持っているとしか思えない」(中日担当記者)

「本塁打の瞬間はバックヤードでも歓声が上がった。誰もが認める良い人で、根尾を好きな人は多い。球場入りの時は、明るいあいさつを欠かさない。アルバイトの人にもです。何かあれば必ずお礼を伝えてくれる。親御さんがしっかり育てたのでしょうね。周囲への配慮ができる大人です」(球場関係者)

 プロの世界、調子が良い時も悪い時もある。結果が出なければ、マスコミでは叩かれファンからも罵声を浴びる。ストレスも多く、人間不信に陥ってしまうアスリートは多い。周りの人たちへの対応がいい加減になっても仕方ないが、根尾の誠実さは常に変わらない。伝わってくる人柄の良さは本物のようだ。

「今はコロナ禍でサインや写真に対応できないのはわかる。それでもファンは選手と交流を持ちたい。(根尾は)断り方が本当に丁寧で、申し訳なさが伝わってくる。こっちも納得するし良い人だと感じる。誰とは言わないけど、子供にも態度が悪い人がいますからね」(中日ファンの女性)

「今年はコロナでダメだったけど、1、2年目のキャンプでは食事に来てくれた。一品運ぶ毎に笑顔でありがとうと言ってくれる。練習で疲れているだろうに、立派な子だと思いました。ああいう選手にはサービスしたくなります。また来て欲しいですね」(キャンプ地沖縄の飲食店員)

 野球に対する熱心さ。周囲への感謝と気遣い。そしてファンサービスの丁寧さ。グラウンド内外での振舞いは、プロ野球選手として非の打ち所がない。

「同級生の藤原恭大(ロッテ)は、アイドル顔負けのルックスで近寄りにくさもある。根尾はよく笑うし、隣の兄ちゃん的な温かい雰囲気。嫌われない選手というのはフレンドリーな感じがする」(在京テレビ局関係者)

次のページ
あの伝説的選手とも共通点?