5月22日の第15節で、その湘南を2対1で下した福岡には、DFサロモンソン、DFグローリ、FWブルーノ・メンデスといった既存の外国人選手に加え、ベルギー人MFクルークスとカメルーン人FWジョン・マリが遅れてチームに合流。特にジョン・マリはアフリカ特有の陽気さとユーモアで即座にチームに溶け込むと、リーグ戦としてはデビュー2戦目となる5月1日の浦和戦に途中出場し、後ろ向きトラップからの強烈な反転右足ボレーで来日初ゴールを決めた。計8人の外国人選手による定位置争いも激しいが、現在のところはその競争がプラスに働く形で、チームはJ1でのクラブ記録となるリーグ戦の連勝を「6」に伸ばしている。

 新外国人選手の合流で好転したチームがある一方、新助っ人がなかなか機能せずに苦しんでいるチームもある。その筆頭が、G大阪だろう。タイトル獲得を掲げ、新たにFWレアンドロ・ペレイラ、FWチアゴ・アウベス、MFチュ・セジョンといった実力者をチームに加えたが、開幕直後に起こった新型コロナウイルスのクラスター発生(2週間の活動休止およびリーグ戦6試合延期)の影響も受けてチームの戦い方も定まらない中で、新戦力たちも力を発揮できずにいる。

 5月12日の広島戦では、元アーセナルのMFウェリントン・シウバが後半途中からJデビューを果たしたが、救世主になることはできず、翌13日には宮本恒靖監督が解任(契約解除)されることになった。昨季までの守備をベースに、新外国人たちの力で「大幅な攻撃力アップ」を目論んでいたが、周囲との連携不足が解消されないまま個の力が噛み合うことなく、クラブ史上最悪と言える得点力不足に陥り、5月22日のFC東京戦でも攻撃の形が満足に作れずに無得点で試合終了。途中出場したウェリントン・シウバも不発で、リーグ戦の連敗は「4」にまで伸びてしまった。

 柏は相変わらず、オルンガの残像を拭い去れない状態が続いている。開幕後に4人のブラジル人選手を獲得したが、CBエメルソン・サントス、MFドッジ、MFアンジェロッティの3人が揃ってリーグ初先発を果たした5月15日のFC東京戦で0対4の大敗。続く同22日の横浜FM戦ではドッジのみが先発し、1対1の引き分けとなった。ボランチの位置で高いボール奪取能力を示し、縦への推進力も見せるドッジは今後も大きな戦力になりそうだが、途中出場2試合のみの大型FWペドロ・ハウルを含め、チームとしての戦い方が整備されているとは言い難い。

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今後も外国人選手で流れが変わる?