正直に言えば、僕はまだ結婚に至っていないので、あまり偉そうにものを言える立場ではないのかもしれない。ただ、50代末期、バツイチ、安定収入のないフリーランスで、容姿も並以下でも、何度となく交際にまでは進めている。

 一方で、数々の婚活現場で、客観的に見て僕よりもうまくいきそうな要素があるのに、ちょっとしたことでその場で撃沈している例を見ている。
 そんな撃沈の要因の一つが、ワリカンなのではないかな、と思うのである。

 断っておけば、このあたりのことはかなり世代によっても感覚が異なるようで、若い人ほど抵抗がないとも聞く。しかし、婚活中、時折かなり若い女性と食事に行く機会があったが、彼女たちも相手がおじさんとなると、おごられるのを期待しているのは事実である。

 もちろん、身の丈に合わない「リッツのアジュール」を予約する必要はないが、「1杯100円のグラスワイン」を1円までワリカンにしても、「次の一歩」には進めない可能性が高いと思う。

 僕は2年余りの体験を『57歳で婚活したらすごかった』という本にまとめた。こんな風に記事にしたり本にまとめたりするので、「単に本を書くためのネタにしているのでは」と言われることもあるのだが、そんなことはない。単なるネタにするには、コストがかかり過ぎている。この本では、オマケ的に「婚活次の一歩」攻略マニュアルというのを掲載しているのでぜひ、参考にしてほしい。(この記事は同書の一部を抜粋、再構成したものです)。(石神賢介)