2つめのお金の使い方も、すぐわかってくれます。たとえばゲームソフトのように少し値の張るものが欲しい場合、自分の手持ちだけではお金が足らない。ただお小遣いを貯めたら買えます。「貯金」です。

 3つめのお金の使い方は、お子さんが日常的に触れることがあまりないかもしれません。けれども、丁寧にお話すれば必ず分かってくれます。なぜなら、お子さんでも良心を持っているからです。

 たとえば困っている人がいるとします。お子さんに助けてあげたいという良心が働きます。ただ自分はまだ子供だから、遠くまで一人で出かけて困っている人たちの手助けをすることが出来ない。行けたとしても、自分は子供だから力があまりない。困っている人がいるのに自分は何もできない。無力感を感じたお子さんたちの顔が曇ります。

 しかし、説明を続けるとお子さんたちは気付きます。自分は助けに行けない。けれども代わりに助けに行ける人たちがいる。その人たちが行けるように自分はお小遣いを少し使って「寄付」すれば良いんだ!と。
もちろん自分が寄付できる程度のお金では、全く足りません。だから、自分だけでなく友達や家族など、周りの人たちにも少しずつお金を出してもらい、その人たちと一緒に寄付すれば良いんだ!
このお金の使い方が分かった子供たちの顔の表情が明るくなります。自分は無力ではなく、ちゃんと困っている人を助けることができる。みんなと一緒に。

 小さなお子さんでも1「消費」と2「貯金」のお金の使い方を直ぐにわかるのは、それは自分のこと、Meのお金の使い方だからです。
ただ、3「寄付」というお金の使い方がわかってくるとMがクルリとひっくり返ってWになります。お子さんたちはWeのお金の使い方もあることに気づくのです。

 Weのお金の使い方の気づきを踏まえ、4つ目のお金の使い方へと続きます。「投資」です。投資の話から初めた場合、「ナンボ儲かるの」という思いきりMeのお金の使い方、「よく集め」に留まってしまいますが、Weのお金の使い方を理解したお子さんたちには「よく散ぜよ」の話へ展開できます。

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「ありがとう」の存在