ゴールテープを切る石川拓慎容疑者(c)朝日新聞社
ゴールテープを切る石川拓慎容疑者(c)朝日新聞社

 今年の箱根駅伝で、アンカーとして駒大の総合優勝に貢献した同大4年の石川拓慎容疑者(21)が19日、県青少年保護育成条例違反などの疑いで神奈川県警に逮捕された。陸上界を震撼させた事件に関係者は大きなショックを受けている。

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 石川容疑者は今年の箱根駅伝で最終10区を走った。タスキを受けた時点でトップの創価大学と3分19秒離れていたが、力強い走りで大逆転。総合優勝に大きく貢献した。

「普段は礼儀正しい好青年です。三枚目の部分もあり、駒大陸上部の箱根駅伝メンバーを紹介するSNSでは『区間賞で単位ください』とおどけた表情を浮かべていました。穏やかな雰囲気の癒し系キャラですが、心の芯は強い。3年時の昨年は箱根駅伝でアンカーの10区を走って区間7位に終わりました。今年は最終学年で期する思いがあったのでしょう。会心の走りで区間賞を獲得し、チームを総合優勝に導きました。ニュースを聞いた時は驚きました。詳細が分からないので何とも言えませんが、駒大の関係者はショックを受けています。陸上界で将来を嘱望される選手だったので今後どうなるか…」(陸上雑誌の編集者)

 報道によると、石川容疑者は昨年10月にマッチングアプリを使用し、当時高校2年生だった17歳の少女と知り合った。その後、昨年12月と今年1月と2度にわたり、少女をホテルに連れ込んでわいせつな行為をした疑いがあるという。

 スポーツ紙の陸上担当記者はわいせつ行為に及んだ日時に驚きを隠せなかった。「12月20日は箱根駅伝の本番に向けて、最終の調整段階に入った大事な時期です。新型コロナの感染拡大が収束しない中、選手たちは不要不急の外出は控えるように通達されていた。コロナに感染して部内にクラスターが発生する危険性もあります。張り詰めた緊張感でストレスが溜まっていたのかもしれないが、あまりにも軽率な行動だと思います」と語気を強めた。

 この事件を受け、駒大が20日からの関東学生対校選手権を参加辞退するか動向が注目されたが、出場を決断した。ただ部員たちも平常心で走ることは難しいだろう。部内で動揺が広がり、想定外の形で注目されている。

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