ファンを大事にする姿勢も同じ。大谷が気軽にサインしたり、バットをプレゼントする様子はメジャーで日常の風景になりつつある。松井も巨人時代からファンのサインや写真撮影を断らないことでも有名だった。四六時中、注目にさらされキツいはずだが、応援してくれる人たちへの感謝も欠かさない。

「相手ファンからサインを求められるのも共通点。気軽に応じるので、敵味方関係なくファンになる。大谷は二刀流で注目され、ファンへの穏やかな接し方も全米に広まっている。松井はヤンキース時代、永遠のライバルであるレッドソックスファンにもサインした。最初は口汚く罵っているファンも、サインをもらって喜んでいたのが印象に残る」(ニューヨーク在住スポーツライター)

 野球が大好きで最高峰へ向かって突き進む。優先順位を認識して、自らを律することで成長を重ねる。師匠と言える人物がいて、周囲への感謝を忘れない。大谷と松井は似ている。結果を出すのはもちろん、ファンを含め周囲から愛されているのも同じだ。

「大谷には二刀流というインパクトはあるが、実績ではまだ松井が上。松井は世界一になってシリーズMVPも獲得した。エンゼルスは14年以降、地区優勝からも遠ざかっています。大谷の活躍で再び強豪チームとなり世界一になれば、その時こそ松井を超えたと言えるかもしれません」(ニューヨーク在住スポーツライター)

 今後の活躍次第では、松井を超える存在になれる。可能性は無限大であり、誰もが期待している。暗い話題の多い昨今、海を渡って伝わってくる二刀流ショーヘイ・オータニの活躍は眩い光である。