5月9日放送のフジテレビの大型お笑い特番『お笑いオムニバスGP(グランプリ)』では「ドッキリツッコミGP」という企画が行われた。ツッコミ芸人が集まって、それぞれが落とし穴に落とされたりしながら、そのときにどうツッコむかを競い合うというものだ。

 ここでもおいでやす小田は生き生きとしたツッコミ芸を見せていた。浅い落とし穴に落とされたときには、いくつかツッコミを披露した後、最後に「コラーーー!」と叫んでみせた。その前にもフレーズを工夫したツッコミはいくつか放っていたが、個人的にはこれが一番面白かった。

 おいでやす小田に気の利いたフレーズなんて要らない。「コラーーー!」や「おーーーい!」で十分だ。それだけで笑いを起こせるところが彼の非凡な才能なのだ。「ツッコミの神に愛された男」の至高の芸に今後も注目したい。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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