このように大谷に頼りっきりの状態が続くチームに対して、現地からは次第に非難の声が出始めている。とくに、連日大谷を出場させる起用法をメディアは疑問視している。地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』のマイク・ディジョバンナ記者も「大谷選手を投打で積極的に起用する今の方針は悪くはないのですが、肉体的負担が大きすぎます」といい、「今のままでは夏頃には故障する可能性もあります」と危惧する。同記者のようにケガのリスクを一番に回避すべき要素だと主張する現地メディアは少なくない。

 今はチームに貢献したいという大谷の希望を優先して、チームは出場を続けさせているが、エンゼルスの首脳陣による他の選手の扱いを見ていると、大谷も結局はいいように使われているだけの様にも見受けられる。現地メディアから「エンゼルスにとっては価値が高すぎる」といわれるほど、高い能力を発揮している大谷ではあるが、今後エンゼルスが自身の弱点を改めなければ、その二刀流という才能はチームによって潰されてしまうことになるかもしれない。今後、どのように大谷を扱っていくのか、エンゼルスによる起用法にはこれまで以上に注目が集まっていくことだろう。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)