巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社
巨人の捕手・小林誠司(C)朝日新聞社

 首位の阪神を追いかける巨人だが、開幕からベストメンバーで戦えた試合は数えるほどだ。

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 4月上旬にウィーラー、丸佳浩、中島宏之、若林晃弘が新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されて戦線離脱。エース・菅野智之も開幕直後に足の違和感で離脱したのに続き、今月7日のヤクルト戦(東京ドーム)で先発登板した際に4回を投げた時点で右ひじの違和感を訴えて緊急降板。今季2度目の登録抹消となった。負の連鎖は続く。主将の坂本勇人も9日のヤクルト戦(東京ドーム)で捕手からの牽制にヘッドスライディングで一塁に帰塁した際、右手を負傷。同日に都内の病院で精密検査を受け、右手母指(親指)の骨折と診断された。

 菅野、坂本の代わりになる選手はいない。全員野球でカバーするしかないが、最大の不安要素が救援陣だ。セットアッパーの中川皓太が本調子と程遠く、今季は2勝2敗7ホールド、防御率4.32。ビエイラ、桜井俊貴は結果を残せずファーム降格した。守護神・デラロサも米国の市民権申請手続きのため、4月中旬にチームを離れた。新型コロナウイルスの水際対策で渡米後に自主隔離期間を過ごす必要があり、日本に到着後も14日間の隔離期間を過ごさなければいけない。チームに合流するのは5月中旬以降になる見込みだ。

 昨オフにFAで獲得した井納翔一を救援に配置転換したが、救援登板した7日のヤクルト戦(東京ドーム)で先頭打者のサンタナに被弾するなど心もとない。現状では高梨雄平、鍵谷陽平以外は計算が立たない状況だ。

 目標のリーグ3連覇に向け、脆弱な救援陣が致命傷になる恐れもある。戦力のテコ入れとして、囁かれるのがトレード補強だ。昨年はシーズン途中で楽天からトレード補強したウィーラー、高梨がリーグ連覇に大きく貢献した。今年も出血覚悟で動く可能性は十分にあるだろう。

「救援だと楽天・牧田和久、日本ハム・秋吉亮、オリックス・吉田一将が獲得候補になるのではないでしょうか。ファームで調整中の牧田は石井監督がGMで直接獲得に乗り出した経緯があるので厳しいかもしれませんが…。ただ、巨人も当然ながら相応の選手を出さなければトレードは成立しない。桜井、小林誠司、北村拓己、石川慎吾が交換要員になる可能性があります」(スポーツ紙デスク)

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