パリーグの球団関係者も複雑な表情を浮かべる。

「侍ジャパンに選ばれることは大変な名誉です。しかも東京五輪ですからチームにとっても喜ばしいことですよ。ただ、コロナの感染が怖いですよね。大会期間中に感染したらペナントレースの後半戦を離脱することになり、コンディションを整えるのに時間がかかる。今年のパリーグは混戦でどこの球団も優勝するチャンスがある。侍ジャパンに選ばれた選手たちは活躍を願う気持ちと共に、コロナに感染しないで無事に戻ってほしいという思いがありますね」。

 インドでは新型コロナウイルスの新たな感染者が連日40万人以上確認されるなど、世界各地で感染収束の見通しが立っていない。他国に比べてワクチンの接種が遅れている日本で、世界中のアスリートや関係者が集まる五輪の開催にナーバスになることは致し方ないだろう。予定通りに五輪が開催されても、代表に選ばれた選手たちは感染防止に細心の注意を払う特別な国際大会になる。(牧忠則)