また、11人組ボーイズグループのJO1(ジェイオーワン)を輩出したオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」のシーズン2は、本編をGYAO!が配信中。101人の練習生のうち、デビューを勝ち取れるのは11人のみ。現在、すでに40人まで絞り込まれた。6月13日の最終回はTBS系列の地上波で放送予定。本編に収録できなかった映像は公式YouTubeチャンネルで公開される。

 元AAAメンバーでラッパーとしても活躍しているSKY-HIは、1億円の私財を投じて、ボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」を主宰。こちらも選抜の様子は「スッキリ」で放送され、「Hulu」で完全版を配信している。

 女性ばかりでなく、男性グループのオーディションも活発になった背景には、芸能界の“勢力図”が変わったことも関係していそうだ。

 日本の芸能界において、男性アイドルグループといえば、ジャニーズ事務所の「1強」だった。だが、2年前に創業者のジャニー喜多川氏が亡くなると、昨年には古株だった少年隊の錦織一清と植草克秀、元SMAPの中居正広が退所した。また、今年の3~4月にかけては、TOKIOの長瀬智也、King & Princeの岩橋玄樹など若手~中堅メンバーも退所が相次ぎ、4月末には将来の幹部候補と目されていた近藤真彦も事務所を去った。

 前出の芸能事務所のオーディション担当者はこう語る。

「ジャニーズ事務所の力が弱まっている今のうちに、男性ユニットを発掘したり、男性タレントを売り出そうと考えている芸能プロダクションは多いですよ」

 一方、オーディション番組の作り手であるテレビ局にも“思惑”はある。視聴率の伸び悩みや広告費の減少で、現場の経費削減が求められるなか、オーディション番組は「尺(映像の長さ)が稼げるし、デジタルコンテンツを配信サービスで二次利用できるうまみもある」(テレビ関係者)のだという。

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「視聴者はタレントを“育てる”楽しみがある」