「今はメジャーで活躍している超ビッグネームでなければ、各球団は大金を払って長期年俸を結ぶことに消極的です。米国は日本より新型コロナウイルスの感染拡大が深刻で、各球団の経営状況が厳しいのも背景にあります。菅野の能力は間違いなくメジャーの先発ローテーションに入る力を持っているが、故障が多いのが少し気になる。年齢を考えると大型契約にリスクを感じる球団も多いでしょう。好待遇の契約でメジャーに挑戦するのは厳しいのではないか。年俸がダウンすることも想定しなければいけないと思います」。

 メジャーに挑戦した日本人選手の年齢を調べると、ダルビッシュ有(パイレーツ)、田中将大楽天)は25歳、前田健太(ドジャース)、菊池雄星(マリナーズ)は27歳で海の向こうを渡っている。黒田博樹が33歳で広島からメジャーに挑戦し、ドジャース、ヤンキースで7年連続2ケタ勝利を挙げるなど通算124勝をマークしたが、珍しいケースだ。

 菅野が黒田のように息の長い投手としてメジャーで活躍する可能性は十分にある。オフの去就が注目されるが、まだペナントレースは4分の1も消化していない。リーグ3連覇を狙う巨人の大黒柱として、1日も早く万全のコンディションで復帰することを願うばかりだ。(梅宮昌宗)