中日・平田良介 (c)朝日新聞社
中日・平田良介 (c)朝日新聞社

 中日打線の調子がなかなか上がってこない。本塁打がまったく出ない時期もあり、5月7日時点でチームの総得点(98)はリーグ最下位だ。

 平田良介、高橋周平、阿部寿樹、福田永将……。本来チームをけん引するはずの日本人打者が、揃ってチームの核となれていない。優勝の期待も高まる中でシーズンが開幕したが、彼らのパフォーマンス次第では、今年は若手育成に舵を切る必要性も出てくるかもしれない。

「やはり1番は平田の不調が大きい。打撃の状態が悪過ぎる。肩も強く守備での貢献度も大きいので、(不在により)チーム全体の守備力も下がる。精神的な柱でもある平田の復活が今後のカギを握ります」(中日担当記者)

 平田は18年にキャリアハイとなる打率.329をマークしたが、それ以降は打撃成績が下降。今年は開幕から主に5番打者として出場していたが調子が上がらず、4月28日に二軍へ降格となった。

「不振が続いてしんどいはず。それでもクサることなく練習をしっかりやっている。オフでもナゴヤ球場などを使って、バットを振り込んでいる。本拠地がドーム球場なのにあれだけ日焼けしているのを見れば、練習量が分かる。明るくて良い奴だけに、誰もが良い結果を望んでいるのだが……」(中日関係者)

 今年で33歳と打者として円熟期を迎えてはいるが、昨季はケガの影響もあり苦しんだ。かつては天才・落合博満も認めた打棒は復活するのだろうか。

「筋力を生かしたパワフルなプレーが持ち味だが、そのスタイルが故障の多さを生み出している。打撃フォームを見ても全身が固い。手を変え品を変え、結果につながる方法を見つけ出して欲しい。長打だけでなくバットに当てるのも上手いので、モデルチェンジもできると思う」(中日OB)

 大阪桐蔭高の後輩、中田翔日本ハム)も「打撃では勝てなかった」と言ったほどの強打者。これまで打線の柱を担ってきた男の不調は、そのままチーム力の低下に直結している。平田の完全復調が、まずは待たれるところだ。

 平田以外の日本人打者も不甲斐ない。奮闘しているのは、1番を任され3割超の打率を残す35歳のベテラン大島洋平ぐらいのもの。中軸打者である高橋、阿部、福田も振りが鈍い。大島が出塁しても、その後ろがビシエドだけでは相手投手に脅威とはならない。

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中堅選手の奮起はあるのか