岡庭容疑者は当時16歳。自宅からは数十本の刃物が見つかり、調べに対し「人を殺してみたかった」と供述していたという。

 岡庭容疑者はこの事件の他に17件の放火やの死骸を遺棄したとして立件されている。

 岡庭容疑者を巡っては、請われるままに刃物を買い与えていたとして父親が銃刀法違反で書類送検されている。

 今回の事件では催涙スプレーをかけられ軽いけがをした小林さんの次女(当時13)が「帽子とマスク姿の男に襲われた」と供述。

 警察は付近の聞き込み、防犯カメラの映像を調べるなどして行方を追ってきた。

 記者は事件発生から1か月後の現場を取材したが、当時は有力な手掛かりはなく、2人の捜査員が被害者宅の目の前に拡がる釣り堀の会員名簿を押収し調べるなどしていた。

 捜査関係者によると、境署捜査本部では不審者情報を中心に裏付け捜査をすすめていたという。

「岡庭容疑者と一家との接点は見当たらないが、犯行を裏付ける物証が得られた。今後は供述面で裏を取っていく」(警察関係者)

 男は凄惨な事件の動機について何を語るのか。(野田太郎)