「保健所が来られると聞いているが、まだ来ていません」

 4月21日からオンライン授業に切りかえて、対策を講じているというが、最初の感染者確認は4月16日だった。そこを指摘すると、先の責任者は、こう声を荒げた。

「あなたは保健所でもない。なぜそんなことを答えなきゃいけないのか」

 AERAdot.編集部で神戸市保健所も取材した。

「クラスター発生など、コロナ感染の個別の名前、会社名などの公表は原則していません。個別の調査がどうなっているかのお答えは差し控える。
必要な調査、対応はしています」

 続いて兵庫県私学教育課を取材すると、こう答えた。

「ご指摘のA専門学校で先生や学生、30人近い感染者がいるという報告は受けています。クラスター発生などは保健所の管轄になります。昨年、緊急事態宣言で学校を休校にした時に賛否が多かったので、県として一定、助言は致しますが、A専門学校は私学なので、最終的に公表は学校の判断に任せるしかない」

 兵庫県では、4月初旬から300人を超す新規感染者を記録。ゴールデンウイーク前、4月24日は629人と過去最多を更新した。5月5日には、死者が過去2番目の13人だった。

「感染後、重症化している先生もいると聞いています。早く学校はコロナ対策をとってほしい。このままで感染者が増えてしまう」(前出・学校関係者)

 兵庫県に対する緊急事態宣言が延長される見込みだが、感染対策は万全を期してほしい。(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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