■遠藤渓太(ウニオン・ベルリン)

 昨夏横浜F・マリノスからウニオン・ベルリンへ期限付きで加入した遠藤。プレシーズンで負った負傷によって出遅れたが、加入後初先発の試合で早速ブンデスリーガ初ゴールを決めるなど大きな期待を感じさせた。しかしその試合でハムストリングを痛め、復帰後もチームの好調に伴いベンチに座る試合が主であり、初の海外挑戦は難しい時期が続いていた。

 それでも、自身2度目の先発出場を飾った第25節(ケルン戦:2-1)から徐々に出場機会を増やし、地元紙『ベルリーナ・ツァイトゥング』が「勝負の数週間」と指摘した3月中旬からはバイエルン・ミュンヘンやドルトムントといった国内強豪との試合でもスタメン入り。チームの期待に応えようと奮闘している。

 先日、本人は『キッカー』紙面で「チームの成功には貢献できていない」と悔しさを噛みしめつつ、「戦術的な規律も学びました。改善し続ける必要がありますね」と成長を実感していることを告白。そして自身の去就について「ポジティブな状況ということだけ言っておきます。(クラブの決断は)もう聞いていますよ」と、クラブが買い取りオプションを行使することをほのめかしている(※記事執筆時点。4/30日に完全移籍が発表)。現在チームはヨーロッパリーグや来季始まるヨーロッパカンファレンスリーグ出場権を十分に狙える位置につけており、欧州カップ戦デビューを果たす可能性も十分にありそうだ。そのためにも、まずは今シーズン残り3試合でトップレベルでも通用することを証明し、今夏の東京オリンピックで世界にその存在を知らしめたい。

(文・三上凌平)