「事件」が起きたのは、メジャー制覇まであと一歩に迫った全英オープンと同じ年に開催されたフジサンケイクラシックだ。2日目13番のグリーン近くまで進むと、ワッツはなぜかそこから海に向かって故意にショットしOB。目を疑うようなプレーに対して「ゴルフの理念に反する行為」とツアーでも大きな話題となったのだ。

 ワッツはそこまで2オーバーだったが、この13番をトリプルボギーとすると、続く14番でボギー、15番はダブルボギーとし8オーバーでホールアウト。どんな衝動に駆られたのかは不明だが、カップを目指すのではなく、自ら海に打ち込むなど前代未聞の醜態と言える。

 我々アマチュアはもちろん、いつも想像を絶するプレッシャーの中でプレーしているプロも人間。イライラが募ったりすれば、モノや周囲に当たりたくなることもあるだろう。それでも、ロールモデルとなるべきプロアスリートとして、今回ご紹介したような行為は言語道断だ。そして、私たちも彼らのプレーをお手本にしつつも、こうした行為を反面教師として、今後もゴルフを楽しめればと思う。