ムニスと同じキューバ出身のバーバロ・カニザレス(ソフトバンク)も、15年にウエスタンで18本塁打を放つなど、本塁打王2回、打点王1回を獲得。甲殻類アレルギーで「カニを“共食い”できない」というユニークな話題を提供したナイスガイも、投手偏重だった外国人枠の割を食う形で、3年間で1軍出場わずか38試合。“2軍の強打者”のまま退団となった。

 そして大トリは、今後広島の中軸としても期待されるアレハンドロ・メヒアだ。

 15年にサビエル・バティスタとともに練習生として入団したドミニカンは、17年にウエスタンで打率3割3分1厘、18本塁打、77打点を記録したが、先に1軍に呼ばれたのは、48試合で21本塁打を放ったバティスタだった。ライバルに2カ月遅れの同年8月に1軍デビューも、出場わずか9試合に終わった。

 18、19年もウエスタンで2年連続3割&20本塁打以上(18年は三冠王)と打ちまくったが、粗削りな打撃が災いして、なかなか1軍に定着できなかった。

 バティスタが退団した昨季は、開幕戦で5番に抜擢されたが、打率1割台と1軍では結果を残すことができず。今シーズンの奮起に期待したいところだ。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2020」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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