浮かんだ後のことも心配だ。沖に流されたら、どうなるのか。流されているときに、グルグル回転しないのだろうか。

「波が激しいと、回ってしまう可能性はありますが、床下に食料や水を入れるところがあり、ある程度の安定はするようにはしている。また、シートベルトで体を固定できるようにし、安全は確保しています。水上で扉を開けることは基本的にできない。水が入ってきてしまうからです。水がひいたタイミングや、船で浅いところまでひっぱってもらってから、脱出します」

 必ずしも命の保証がされるわけではないということだ。せめて自走できるような機能があればと思い、提案してみたが、「200万、300万円でもよければ船のように動くようにもできますが、今度は故障の問題も出てくる。結果として、今の一番シンプルなものになっています」と、難しいようだ。

 他社の製品では、船のようなシェルターや箱型のシェルターもある。より多くの人が乗れたり、脱出がしやすかったりもするが、価格が60万や90万、高いもので500万を超えるなど様々だ。だが、「ライフアーマーNEO」の男心をくすぐる外見的な魅力は捨てがたい。一度購入を検討してみてはいかがだろうか。(文/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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