使い捨てナプキンが医薬部外品になったのは1960年代のことだった。ちょうど世界に遅れて40年、使い捨てナプキンが世に出始めたころの話だ。当時の役人でこの規制をつくった人のなかに、いったい、生理のある人はどれくらいいただろうか。そして今、最先端の生理用品を、他の国がどこもやっていない古い医薬部外品の規制の対象にしようとする政治家のなかに、この規制がなぜ作られたのか、その背景にある思想にまで思いを馳せられる人はいるだろうか? どうせなら、紙オムツや綿棒と同じように、紙ナプキンも新しい生理用品も衛生用品として自主基準をつくっていければいいと思う。なぜ、女の生理に、ここまで関わろうとするのか? なぜ金もうけしようとするのだろう? 私には自民党のフェムテック議連の「女性のため? きれい事よ! でも需要喚起になるわよ! フェムテックという言葉で女性の健康への意識をもっと高めて!」という勢いそのものが、ドイツのピンキーグローブのように見える。本来なら、笑われ、あきれられ、批判されるようなところでしょ。

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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北原みのり

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北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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