リリーフでは広島のルーキー栗林良吏が12試合連続無失点でリーグトップタイの8セーブと見事な成績を残しているが、もう1人リリーフで期待以上の投球を続けているのが近藤弘樹(ヤクルト)だ。ドラフト1位で楽天に入団しながらわずか3年間で自由契約となり、育成選手として今年からヤクルトに移籍。キャンプ、オープン戦でアピールを続けて開幕前に支配下登録を勝ち取ると、ここまで中継ぎで13試合に登板して無失点と、ブルペン陣を支える存在にまでなっているのだ。

 もともとスピードには定評があったが、内角を思い切って突くことができるようになったことが大きい。課題だったコントロールも自らの四球で崩れるようなことはなくなり、走者を背負っても安定した投球を見せている。前年オフに自由契約となった選手がここまで短期間で他球団の一軍戦力となる例は珍しく、まさにチームにとっては嬉しい誤算と言えるだろう。

 パ・リーグでは続出している故障者の穴を埋めている西武の野手から2人を取り上げたい。1人目はドラフト4位ルーキーの若林楽人だ。キャンプから高い守備力と脚力でアピールを続けて開幕一軍入りを果たすと、4月9日からは1番打者に定着。打率に関しては2割台前半とまだプロの一軍レベルには苦労しているが、既にプロ初本塁打を放つなどパンチ力のあるところを見せている。

 そして驚かされるのがここまでリーグトップの9盗塁という数字だ。大学時代も俊足は目立っていたが、そこまで盗塁は多くなかっただけに、プロでいきなりここまで走れると思っていた人は少なかったはずだ。打撃の確実性がアップして出塁率が高くなれば、盗塁王争いに絡んでくることも十分に考えられるだろう。

 もう1人がプロ入り6年目の呉念庭だ。開幕は二軍スタートだったものの、山川穂高の故障もあって3月31日に一軍登録されると、翌日にスタメン出場を果たしてプロ初ホームランを記録。その後も好調な打撃を見せてここまで打率リーグ6位の好成績を残しているのだ。元々パンチ力には定評があったが、レギュラー定着への最後のチャンスを生かそうという意識からか、思い切りの良さが更に目立つようになった。山川に続いて外崎修汰も故障で離脱し、チームはかなり厳しい状況だけに、貴重な内野手として期待は大きい。

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今後も“予想外”の活躍を見せる選手に期待