唐突に、「解決金」というカードを切った小室さんサイド。眞子さまも、「解決金」について事前に聞かされていた。そして、小室さん側と宮内庁は、この「解決金」ついても、対応をすり合わせているようにも見えた。

 ところが、22日の会見で長官の口から飛び出したのは、解決金のことは一切「聞いていない」という言葉だった。
 
「小室さんと弁護士が当初から、まず文書を出して趣旨を理解してもらう。次に解決金を提案して和解、という2段階の解決策を考えていたのであれば、長官に解決金のことを説明していないのは、妙ですね。ここに来て、戦略のマズさが露呈した印象です」(河西さん)

 秋篠宮家を公私ともに支える役目である加地隆治皇嗣職大夫も、小室さんの反論文書が出た翌9日の会見では、小室さんの元婚約者への対応についてこう述べていた。

「眞子さまの意向が大きかったと聞いている」

 さらに、眞子さまのコメントも伝えた。

「今回発表された文書を読まれて、いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃれば有り難い」

 この加地皇嗣職大夫の発言は、眞子さまに対する世間の失望感を招いた。

 皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授も、編集部の取材にこう話していた。

「国民に寄り添い、その幸せを願うはずの皇族である眞子さまが、恋人と一緒になって一般の人を相手にけんかをしていたという事実は重い」
  
 宮内庁と眞子さまという皇族、小室さんとその代理人弁護士らで作った「チーム眞子さま」は、当初はスクラムを組むような一体感をみせていたが、ここにきて、足並みの乱れが目立ってきた。

「宮内庁幹部らの発信したメッセージは、逆に世間の反発を増幅する結果となってしまい、小室さんの弁護士の打つ手も非常にマズく、火に油を注いでいます」(河西さん)

 金銭トラブルの事情を知る人物は、こう話す。

「宮内庁幹部らが口を出したりと、小室さん自身の意向があったり、眞子さまの希望もあるようですし、弁護士の方針もある。つまり、船頭が多くて混乱しているのではないか」

 元婚約者の男性は、上芝弁護士が送ったきた「解決金の提案がある」というメッセージに対して、反応を示していない。

 「気持ちを整理するにも時間がかかる」(元婚約者の代理人)

 眞子さまは、出口の見えない迷路に足を踏み入れたようだ。(AERA dot.編集部 永井貴子)