汰木康也(浦和)も日本人屈指のドリブル能力を持ち、非常に魅力あふれるプレイヤーだ。1995年7月3日生まれの25歳。横浜FMの下部組織出身で、高校卒業後にJ2・山形に加入。183センチというサイズがありながら俊敏性に優れ、細かいボールタッチから緩急巧みにDFの間をすり抜けるドリブルは絶品だ。

 2018年の天皇杯準決勝では自陣ペアルティーエリア付近でボールを拾うと、そこから圧巻の80メートル単独ドリブル突破で、ゴールはならなかったがシュートまで持ち込んで見せた。そして、2019年に浦和に移籍すると、加入2年目の昨季、リーグ戦30試合に出場して飛躍を遂げると、今季も開幕から主力としてプレー。容姿も含めて華のあるドリブル突破で多くのファンを魅了している。

 J2ではあるが、本間至恩(新潟)も注目すべきプレイヤーであり、非常に高い能力を持つドリブラーだ。2000年8月9日生まれの20歳。新潟の下部組織で育ち、2種登録だった高校2年時の2017年ルヴァン杯で公式戦初出場を果たすと、正式なトップ昇格1年目の2019年にリーグ戦28試合に出場して3得点をマーク。そして、背番号10を背負った翌2020年はリーグ戦40試合7得点と順調にステップアップを果たした。

 今季も圧倒的なアジリティと繊細なテクニックを融合させた切れ味抜群のドリブルでピッチを切り裂き、8試合を終えた段階で首位(7勝2分け)を走り、リーグ最多24得点を誇る攻撃陣の仕掛け役となっている。そのプレーぶりは“新潟のメッシ”という呼び名も少しも大げさではないと感じる。まだ20歳。今後の活躍が楽しみであり、今後の飛躍が間違いない、見るに値する選手だ。

 その他、若手の枠には当てはまらないが、柏好文(広島)や前田直輝(名古屋)、仲川輝人(横浜FM)、長谷川竜也(川崎)、小野瀬康介(G大阪)といった面々にも期待。サッカーがより高度な戦術によって組織化されて行く中で、それに抗うように一人で局面を打開できるドリブラーの価値は高まっている。魅力あふれるドリブラーたちが多く誕生すればするほど、Jリーグの魅力もアップするはずだ。