それよりも、私の場合は「妊娠中」の方がつらかった。出産や育児に比べて妊娠中のつらさがあまり語られていなかった分、ハードルを高く設定していなくて、こんなにつらいのかと。

 まずつわりがひどくて、ほぼ寝たきり状態。寝室からトイレに行くことすらつらいので、夫に大人用の紙おむつを勧められたほどです。臨月の時期もほぼ寝たきりで、横向きに寝るしかない。寝るだけでもつらかったですね。妊娠中は誰にも代わってもらえない。あまりにもつらすぎて、誰かにバットで頭をたたいてもらって、産むまでの間、気絶させてほしいとすら思っていました。

――パートナーは、『アラサーちゃん』に登場する、彼氏の「チャラヒゲ」というキャラクターのモデルでもある一般人男性。出産後、夫婦の関係性に変化はありましたか。

 夫のことがめちゃくちゃ好きになりました。子どもが生まれると夫のことが嫌いになるという話をよく聞きますが、私の場合は逆でした。正直、子供を産む前は「良いやつ」といった感じで、めっちゃ好きとまではいかなかったのですが……。私には、「父親萌え」の要素があるようです。以前は「ネクタイをほどいた男」がすてきだと思っていましたが、「男と赤ちゃん」の組み合わせも、すごくすてきだと分かりました。

――出産前に、“出産後にやっちゃいけないことリスト“を作成していたそうですね。

 リストの項目は、10個ぐらいあります。たとえば「夫と『ママ』『パパ』と呼び合わない」は、今も下の名前で呼び合っているので、達成できています。「マタニティーフォトを撮らない」も運良く達成できていますね。妊娠中に体調が悪すぎて、着替えて腹を出して笑顔を作るのは、状況的に無理でした。

 あとは、「赤ちゃんの大便をうんちと呼ばず、『お花』と呼ぶ」も達成できています。子どもがいる家庭では、『うんち』という言葉を平気で使うことに違和感がありました。何か美しい言い替え表現はないかなと考えていた時に、登山界では大便をするときに「お花を摘む」という呼び方をしていることを思い出して、使おうと思いました。

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