同局がこれほど「ZIP!」に注力する背景には、番組の成功はもちろん、別の理由もあるという。前出の同局の番組スタッフはこう語る。

「最近、水卜アナが大手芸能事務所から3億円でヘッドハンティングされたという報道もありました。本当に3億円かはさておき、以前から複数の芸能事務所からフリー転身の誘いがあったことは間違いない。ウチの局は10年ほど前に給与変更がされて、民放キー局の中でも給料が安いことで知られており、フリー転身するアナウンサーも多いですからね。それでも誘いに乗らず、局にとどまっている水卜アナに対しては、局の上層部もかなりの恩義を感じているようです。看板アナというだけでなく、将来の幹部候補としても考えており、そうした局内の“思惑”も『ZIP!』のプッシュにつながっているのでしょう」

 もちろん、水卜アナにもそれなりの考えがあるようだ。

「画面で見るほんわかしたイメージとは違い、実際の水卜アナはかなりクレバーです。フリー転身に傾かないのは『自分がチヤホヤされるのはあくまで局アナだから』と分析しており、中途半端にフリーになって“大食いタレント”のような扱いをされるくらいなら日テレで自由にやらせてもらう方がいい、と考えているようです」(前出・同局社員)

 水卜アナがいる限り、“新生ZIP!”の成功は間違いなしといったところか。(立花茂)

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立花茂

立花茂

東京都出身。大学を卒業後、スポーツ紙の芸能記者として活躍。その後、週刊誌や月刊誌、ニュースサイトなどでも記事を執筆。得意ジャンルは芸能だが、取材対象はアニメ、競馬、プロレスなど多岐に及ぶ。最近はweb3.0にも興味あり。

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