これは新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回接種した人の総人口あたりの割合をみても一目瞭然です。One World in Dataによると、4月17日時点で、イスラエルは総人口あたり61.7%の人が、少なくとも1回の接種を終えています。イギリスは人口の48.1%(4月16日時点)、アメリカは38.7%(4月17日時点)が終えており、日本はたった0.9%(4月16日時点)です。

 世界一のスピードで接種を進めているイスラエルでは、昨年から続いていたロックダウンが段階的に解除され、4月18日からは屋外でのマスクの不要となりました。1月中旬には新規感染者数が1万人を超えていましたが、4月17日時点での新規感染者数の報告は0人となっています

 1月初旬に新規感染者数が6万8千人とピークを迎えたイギリスでは、昨年12月8日より新型コロナウイルスワクチンが開始され、4月16日時点で人口の約半数が少なくとも一回の接種を終えています。4月17日時点での新規感染者数は2,200人とワクチン接種が進むと同時に、感染者数も激減したことがわかります。ロックダウンを段階的に解除することが発表され、4月12日からは、パブやレストランの屋外席での営業再開、衣料品や書店といった小売店やジム、美容院なども営業が再開されました。

 昨年11月以降、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、1月初旬には新規感染者数が30万人と、ピークを迎えたアメリカでは、総人口の4割ほどが少なくとも1回の接種を終えており、4月17日時点での新規感染者数は5万2千人と、こちらもワクチン接種が進むと同時に、感染者数は減少傾向を認めています。

 一方の日本はというと、少なくとも1回接種した人の総人口あたりの割合はたった0.9%(4月16日時点)です。接種開始も遅れをとっている上に、接種回数も圧倒的に少ないという中で、首都圏に出されていた緊急事態宣言が解除されてから1カ月足らずで、再び東京や大阪、仙台を中心に感染者が拡大しているのも、当たり前の結果だと言わざるを得ません。

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菅首相はワクチン追加供給をようやく要請