死球をうける大山悠輔選手(c)朝日新聞社 
死球をうける大山悠輔選手(c)朝日新聞社 

 阪神が本拠地・甲子園で17日の雨天中止を挟み、16、18日とヤクルトに2連勝したが、SNSやネット上では阪神ファンがヤクルトに謝罪するコメントが多く寄せられた。

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「あんなにぶつけられたら高津臣吾監督が怒っても致し方ない。打者の頭部に当たったら選手生命に関わる。阪神ファンとして申し訳なく思う」、「阪神ファンだけど試合を見ていていい気持ちがしなかった。ヤクルトの右打者は藤浪の時に明らかに腰が引けていた。しかも当てたのが山田、村上、塩見と主力ばかり。勝っても素直に喜べない」

 後味が悪い試合の原因は死球だった。2試合で計5死球。阪神の投手陣がヤクルトに4死球、ヤクルトの投手陣が1死球を与えた。17日の阪神戦で藤浪晋太郎が山田哲人、塩見泰隆に、18日は岩貞祐太が7回に村上宗隆、加治屋蓮が8回に塩見に死球を与えた。不穏な空気が慣れる中、ヤクルトの梅野雄吾が直後の8回に大山悠輔に死球を与え、警告試合が宣告された。

 もちろん、故意にぶつける投手はいない。だが、故意でなければ許されるかというと話は違う。死球を受けたことで長期離脱し、野球人生が狂った選手は少なくない。

 ある球団OBは死球についてこう振り返る。
 
「こちらの投手がぶつけて、相手も報復でくるなという時はなんとなくわかる。その時は準備ができているので大けがにはならない。むしろ、故意でない投球だから大けがするんです。打者は、投手に対してある程度のコースにくるという『信頼』があって踏み込んでいる。投手は踏み込ませないように内角に投げてくるのですが、捕手が外角に構えているのに球が身体に向かってきたら打者はよけようがない。一度その球を見せられたら残像が残るので打つので無理ですね。打てなくてもいいから、ケガしないようにしようと考える」

 日本のプロ野球では、投手が投げた投球が打者の頭部や顔、ヘルメットなどに当たり審判団が選手生命に関わるほど危険な投球と判断した場合に投手は退場しなければいけない。だが、このペナルティーでは「打者が割に合わない」という声が少なくない。

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