今年はオープン戦で絶好調だった若林晃弘が二塁で開幕スタメンを勝ち取り、吉川はベンチスタートだった。若林が新型コロナウイルスで陽性判定を受けて戦線離脱したが、なかなか結果を出せない。北村拓己、廣岡大志と併用で起用される中、12試合出場で打率.111、0本塁打、0盗塁。11日の広島戦(マツダ)以降は増田大輝が二塁で4試合連続スタメン出場し、4連勝と大きく貢献している。吉川はレギュラー奪回どころか、ファーム降格の危機を迎えている。

巨人の将来を考えれば、吉川はレギュラーに定着して岡本和真と共にチームを引っ張らなければいけない選手です。ただ、能力の高さをまだまだ生かし切れていない感じがします。足が速いけど盗塁がうまいわけではない。時折みせるボーンヘッドも評価を下げてしまっています。状況判断でまだまだ甘い部分がある。常勝を義務付けられている巨人は身体能力の高さだけではレギュラーを勝ち取れない。勝つチームの主力として『野球脳』も重要な要素になってきます」(スポーツ紙巨人担当記者)

 天才と称されたが、その輝きを持続できずに消えてしまった選手は少なくない。レギュラーをつかむより、レギュラーで活躍し続ける方がはるかに難しい。吉川の野球人生を占う上で今年は重要なシーズンになりそうだ。(梅宮昌宗)