慶應義塾大法学部・太田紗菜さん(提供写真)
慶應義塾大法学部・太田紗菜さん(提供写真)

 2020年度、コロナ禍で多くの大学生はキャンパスに入れず、オンライン授業を受けることになった。なかでも新入生は、友達を作る機会すら十分に持てないままオンライン授業となり、孤独や不安の問題が多くの大学で表面化した。「入学当初は本当に孤独だった」という慶應義塾大法学部1年(現・2年生)の太田紗菜さんが、「特別な1年」を振り返った。『大学ランキング2022』(朝日新聞出版)から紹介する。

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 キャンパスに行けない=社会生活が奪われる、と言っても過言ではないと感じた一年でした。特に現在ではサークルなどの対面活動は事実上禁止されていますが、これで大学生である間にちゃんとした人間関係を築けるのかどうか、非常に不安です。

 課外活動として英語のディベートのサークルに入っていますが、オンラインのため、対面では一度も活動したことがありません。海外研修、児童館でのボランティアも中止になりました。オンラインで開催されているイベントに参加するなどしましたが、外に出る活動は極力控えざるを得ませんでした。

 サークルなどのコミュニティーは、どうでもいいものではありません。むしろ新たな人と出会うための大切な機会であり、学生生活の一部となります。オンラインを主軸にしたとしても、少しでもいいので対面の機会を設けてほしいです。何よりもまず学生同士がつながりを作れる場所を、積極的に作り出してほしいと思います。

 昨年はただでさえ人に会えなかったので、友達を作るのが難しかったです。SNS上で見知らぬ人にDMを飛ばして話す勇気もなく、入学当初は本当に孤独な大学生活を送っていました。ですが、秋学期から語学の授業が一つだけ対面になり、LINEグループなどができたため、同じ授業などを共有している人とのつながりができるようになりました。実際その中の数人と打ち解けることができました。

■聞き逃した授業動画を巻き戻して見直す

 オンライン授業について評価できるところは、二つありました。

 一つは授業動画を見直すことができることです。授業を一瞬聞き逃してしまった、という場合でも、すぐ巻き戻して動画を見ることができたので、効率よく学べたと思います。

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勉強方法を試行錯誤できたのは有意義だった