■「調整力のある上司」を味方につける

 いま多くの企業の経営サイドはデジタルネイティブの「積極性」に期待しています。つまり、新入社員が自ら手を挙げて拒絶されることはまずありません。なので、どんどんDXプロジェクトに携わる機会を積極的につかみにいくべきです。

 各企業でDXを任せられている人材に共通するのは、最近のITサービスに詳しいことはもちろん、自社の「悪習」に染まっていない新しい視点で物事が見られるという点です。これは前述の新入社員の強みにも通じます。

 ただ、新入社員に圧倒的に足りないのは「巻き込み力」です。当たり前ですが、DXプロジェクトは一人では進められません。やはり協力者を増やす必要があります。そのためには、部長クラスとか全社的な影響力のある人を味方につけておくことが大事になるでしょう。

 たとえば、新入社員は何か困りごとがあった時に、それをだれに話せばいいのか、よくわからないケースも多いはずです。その時に、まず社内事情に精通していて調整力のある上司に相談すれば、「それならあの人に聞いてみよう」と自分に代わって巻き込んでくれます。それができたら格段に成果を出しやすくなるはずです。

■DX人材になるための7つのポイント

 DXプロジェクトに適している人材の要件を最後にまとめておきましょう。特に文系の新入社員は、これら7つのポイントを強く意識して動き続けることで、より社内での活躍の機会が増えるし、自分の市場価値も高まっていくと思います。

(1)課題発見力が高い
 解決した場合に、よりインパクトの大きなビジネス課題を見つけられるというのがマストのスキルです。

(2)各デジタル技術でどんなことができるかを知っている
 基本的なことはもちろん、次々と新しいテクノロジーやツールが出てくる中、課題に対する解決策の幅を持たせるという意味では、最新技術で何ができて何ができないのか、敏感にキャッチアップして引き出しを増やしていくことが求められます。

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DX人材になるための、残り5つのポイントとは?