■発音は練習で変わる 音読で会話力もアップ

 本書を使った学習方法は、感情を込めてセリフを読む「なりきり音読」がおすすめ。まずは下記のセリフを繰り返し読んでみよう。繰り返し練習することで、スムーズに読めるようになることを実感できるはずだ。

ちがうね おれが考えてたのは てめーがやられた時 小便ちびられたら 水中だからキタネーなってことだけさ おっさん!
Wrong. I was just thinking that it would be nasty because you won’t be pissing your pants alone when I beat you since we’re sharing the same water, old man!
※『ジョジョの奇妙な冒険』 Part3 の主人公、承太郎のやや長めのセリフ。繰り返し練習することでbecause は次第に省略発音の ’cause (カズ)のように発音できるようになるはず

「丸ごと1冊音読して、かかった時間を記録する方法も効果的です。初日は40分だったのが翌日は39分で読めたら、2回の練習で60秒分発音がなめらかになったということ。発音は練習した回数分、必ず上達します」

 読み方を知らない単語は、音声付きウェブ辞書などでチェック。なめらかな発音を意識することでリエゾン(音のつながり)の感覚が身につけば、ネイティブの英語も聞き取りやすくなる。また、感情を込めて読んだセリフは、それだけ脳にも深く刻まれるはずだ。

「ジョジョのセリフには、使ってみたくなる言葉がたくさん出てきます。しかるべき瞬間が訪れたときにこの本のセリフが無意識に出てくるよう、毎日練習してみてくださいッ!」

●発音ミニレッスン 「レロレロ」と「オラオラ」で「R」と「L」を使い分ける!
 ファンの間では有名なシーンを使った発音のミニレッスン。花京院が「レロレロレロレロ」と舌でチェリーを転がす音を、lelo → rero → relo → lero とパターンを変えながら練習。たった1分でも相当キツイぞ! 承太郎の「オラオラ(ora/ola)」でやってもOK。授業前のウォーミングアップにおすすめ。

※セリフ、英訳は「『ジョジョの奇妙な冒険』で英語を学ぶッ!」「『ジョジョの奇妙な冒険』で英語をもっと学ぶッ!!」(原作 荒木飛呂彦、監修 マーティ・フリードマン、訳・文 北浦尚彦/集英社)より

◆北浦尚彦(きたうら・なおひこ)
上智大学外国語学部卒。英語講師、国際コンベンションコーディネーターなどを経て、現在は外国政府系の貿易促進機関に勤務する傍ら英語学習書の執筆を行う。著書に『英会話で数字がわかる!』(クロスメディア・ランゲージ)などがある。

(文/木下昌子)

※『AERA English 2021 Spring & Summer』より