お笑いコンビのかまいたち。右が濱家(C)朝日新聞社
お笑いコンビのかまいたち。右が濱家(C)朝日新聞社

 お笑い6.5世代の中でも目覚ましい活躍をみせるのが「かまいたち」だ。これまで「キングオブコント2017」優勝をはじめ、数々のお笑い賞を受賞、先日も「第56回上方漫才大賞」で大賞に輝いた。関東と関西の両方のローカル冠番組を抱え、4月3日は和牛とのW冠特番も放送された。

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「すでにネタに関しては現役トップの実力です。漫才の実力もさることながら、大阪ではぶいぶいいわせていたという濱家(隆一・37歳)さんが、東京ではいじられキャラになって、本人もそれを受け入れたあたりから人気が爆発しはじめました。実は濱家さんは中学時代に地元でヤンキーだったというエピソードがよく知られていますが、東京での仕事が増えるにつれ、そういう話もあまり相方の山内(健司・40歳)さんはイジらなくなりました。中学時代、素行の悪さでたびたび学校から呼び出しを受けていたことや、芸人になったあとの大阪時代は“劇場の番長”と呼ばれて後輩に恐れられていたエピソードがネタにされることもあったのですが」(放送作家)

 すでに濱家はヤンキーキャラを封印したのかもしれない。実は今、いわゆる「ヤンキー芸人」が過渡期を迎えている。土田晃之やバットボーイズ、若手では天竺鼠の瀬下豊や落語家の瀧川鯉斗など、元ヤン芸人は数多く存在する。昔のエピソードで笑いを取るケースも多かったが、昨今はいわゆるステレオタイプなヤンキーが激減し、キャラクターとして扱いづらくなっているというのだ。

「若い人にとっては、ヤンキーという存在があんまり理解できないみたいですね。暴力的なエピソードを武勇伝として披露することにも嫌悪感が強いようです。もちろん形を変えて不良少年は存在すると思いますが、昔ながらの不良というスタイルは随分前から廃れています。最近では尾崎豊さんの『15の夜』の歌詞『盗んだバイクで走り出す』に10代や20代が『盗まれたほうの気持ちを考えろ』と反発した話が象徴的です。ヤンキーが若い視聴者にとって身近なものではなくなり、笑いをとる上で大事な“共感”が得られなくなったのです」(民放バラエティー制作スタッフ)

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