コラムニストの妹尾さん
コラムニストの妹尾さん

 女性が男性から性的サービスを受ける女性向け風俗店。コロナの影響で利用者が減っていると思いきや、一部の人気キャストは例外で、連日「予約満了」が続いているという。女性は何を求めて男を「買う」のか。人気コラムニストの妹尾ユウカさんが実際に女性向け風俗店を利用したと聞き、ルポを書いてもらった。そこには男性が風俗店で女性を買う時とは異なる理由があるようで――。

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 今回、私が利用した女性向け風俗のホームページには21名の男性キャストの宣材写真が並んでいた。年齢は21歳~35歳。男性向け風俗店のホームページと同様に、プロフィールには身長体重といった外見を表す情報に加えて、普段の職業や趣味、特技、夢や目標という項目があった。利用客はこの中から好みの男性を選び、スケジュールを確認して予約に至るのだか、人気ランキング上位のキャストはコロナ禍で、人と人が気軽に会いにくくなった現在でも"ご予約満了"の文字が目立った。
 
 そもそも、私が女性向け風俗店を利用しようと決めた理由は、なにも「男に飢えていた」からではない。作家・中村うさぎさんが風俗店で働いた経験が綴られた『私という病』という本に「男は風俗に性的幻想を買いに来てる。妻や彼女には出来ないことを求めてやってきている」と書かれてあり、「では女性は何を求めて男を買うのか?」という疑問に対する答えを知りたかったからだ。

 新宿区・歌舞伎町の路上。待ち合わせ場所に現れたAさん(21)は白のボウタイシャツに黒のジャケットを羽織り、髪の毛は茶髪でイマドキの若者らしく、可愛らしい顔立ちの青年だった。待ち合わせ場所からホテルへと向かう道中では、自ら何度も車道側に回ってエスコートをしてくれる姿が印象的だった。

 料金は120分コースで22000円。ホテルへ到着すると、彼は「出会えた記念に受け取って下さい」と一輪の薔薇の花をくれた。その後、サービス前のカウンセリングが行われたのだが、紙ではなく携帯の画面を見せてきたので「紙ではないんですね」と私が呟くと「紙を持っていると親にバレる可能性があるので」と彼は言った。普段は都内の大学に通う大学3年生だという彼は、女性向け風俗で働いていることを親には秘密にしているらしい。大学の友人らには既にバレているが、「とくに気にしていない」と話した。

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