また、守備という面では4人の中では唯一移籍で加入した男の存在も欠かせない。

「炭谷銀仁朗がベンチにいることでチーム力が上がる。打力は低いが、捕手としての総合力は球界トップクラス。フットワークも良く、肩も強い。経験豊富な配球も味がある。西武・森友哉を『打てる捕手』として育てることができたのは、控えに炭谷がいたから。巨人でも大城や岸田を育てるのに欠かせない人材」(西武担当記者)

 炭谷は18年オフにFAで巨人に移籍。レギュラーではなく年間約半分ほどの試合出場数にとどまるが、チームへの貢献度は抜群だ。スタメンでは打てる捕手を起用し、勝負どころでは守れる炭谷にスイッチして逃げ切る。今の巨人にとって欠かせない捕手であることは間違いない。

 そんな中で、チームでの存在感を失いつつあるのが小林だ。

「小林が厳しい立場なのは変わらない。球界きっての強肩を生かした守備面では抜けているが、打てない。いつもキャンプでは正捕手候補と言われるが、打撃の弱さが露呈して使えなくなる。チームとしての最終目標は日本一。セ・リーグ相手なら小林を起用して勝ち切れるが、パ・リーグ相手には打ち勝つしかない」(巨人担当記者)

 小林は16年から18年まで100試合以上に出場し、17年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では日本代表として活躍。同年にはゴールデングラブ賞を獲得し、盗塁阻止率は毎年のようにリーグトップを記録していた。

 守備面での実績は文句なしだが、打撃の弱さが常に課題とされてきた。昨年は故障もあり10試合の出場にとどまるなど、立場はますます弱くなっている。甘いルックスも含め人気はトップクラスだが、現状では捕手4番手と見られる。

「左打ちの大城と右打ちの岸田。2人の打てる捕手を先発で使い分けられるのは大きい。試合終盤の勝負どころでは、経験豊富な炭谷が控えている。小林にはかなりの結果が求められる。故障など余程のことがない限り、トレード要員になることもある」(在京球団編成担当者)

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小林がトレードの場合、交換相手は…