走攻守3拍子揃った辰己はトーク力にも定評がある。18年ドラフトの外れ1位で巨人ソフトバンク阪神楽天の4球団が競合。当たりくじを引いた当時の楽天GMだった石井一久監督の印象について記者会見で聞かれると、「早くお会いして、どのぐらい面白いのか確認したいと思います」と発言。楽天のイメージを聞かれると、「楽天なんで、まずは楽天カードを作るところからいこうかなと思います」と爆笑をさらった。

「頭の回転が速い選手ですね。他の選手にいじられても返しがうまく、先輩の懐にうまく入ってイジるのもうまい。チームの空気を明るくできる貴重なムードメーカーです。野球の実力もトリプルスリーを十分に狙える潜在能力を持っている。今年はリードオフマンとして一本立ちしてほしいですね」。(スポーツ紙楽天担当記者)

 辰己が則本をお立ち台でいじったのも、2人に強い絆で結ばれた関係性があるからこそだ。打撃が課題だったことから、則本から「守備の人」とよくイジられていた。則本が登板した昨年7月3日のロッテ戦(楽天生命パーク)で決勝アーチを放った際に、「去年散々、『守備の人、守備の人』って言われて結構、頭に来ていたので。先輩じゃなかったら、ちょっと泣かしたろうかなと思っていたんですけど、2人でヒーローになれてすごくうれしいです」と盛り上げた。

 首位・楽天を攻守で引っ張るプレーだけでなく、お立ち台での個性的な発言からも目が離せない。(梅宮昌宗)