(3)体脂肪不足

 食欲が乱れる原因の三つめは、体脂肪不足です。最初に説明したように、レプチンという食欲抑制ホルモンは、脂肪細胞から出ています。ですから、体脂肪が少なすぎると、このレプチン、つまり食欲抑制ホルモンの分泌量も低下してしまうのです。結果的に食欲を抑えにくくなり、食べすぎてしまうことにつながります。つまり、やせすぎて脂肪が不足すると、食欲が乱れてしまうということです。

 ダイエットを頑張っている人のなかには、「やせなければ理想の体になれない」と考えている人も多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。仮に、体重もある程度やせており、BMI(体格指数)も20以下で理想の体になれていないのであれば、「姿勢」や「筋量」にフォーカスしてみるといいでしょう。

(4)睡眠不足

 あまり意識していない人も多いかもしれませんが、実は睡眠不足になると、ダイエットがうまくいかなくなってしまいます。

 睡眠不足がダイエットを阻害する理由はいくつかあるのですが、ここでは食欲にフォーカスをあてて説明しましょう。関わってくるのは、最初に説明したレプチンとグレリンという食欲を抑制/亢進させるホルモンです。睡眠不足になると食欲を抑えるレプチンの分泌が低下し、食欲を亢進するグレリンの分泌が増えるということが明らかになっています。つまり寝不足だと食欲を抑えられない状態になり、食欲が増えて、食べすぎにつながってしまうのです。

「なんだか無性に甘いものが食べたい」という場合は睡眠不足を疑ってみてください。そして睡眠不足の可能性がある場合は、睡眠時間を30~60分ほど長くしてみて、食欲がどうなるか様子を見てください。

(5)ストレス過多

 ストレス過多で食欲が乱れている人・やせにくくなっている人は、特に女性に多いです。ストレス過多になると、先ほどの睡眠不足とほぼ同じ状況になります。レプチンとグレリンの乱れにより、食欲が爆発してしまうのです。

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