――高校生活は楽しかったですか?

そんなことはなくて……。自業自得なんですが、どうしても人に気を使ってしまう性格があだとなって人間関係に疲れてしまうんです。高校では10人くらいの仲良しグループに属していたんですが、中学時代と同じように、やっぱり陰口とか「私の味方について」とかあるんですよね。そういうのがたまらなく嫌で、「だったらそんなことがなくなるくらい自分に注目を集めよう」と決めて、ピエロ役を演じることにしたんです。

――ピエロですか?

はい。いきなり廊下でパンツ一枚になったりしてました。そんな奇抜な行動をしていると、「みほってぶっ飛んでるよね」というキャラになって、なんとなく、これまで嫌だった空気からは解放されていったんです。

――自ら”いじられ役”を買って出て、その後の高校生活は順調に進んだのでしょうか?

いえ、それもそんなことはなくて……。今度はピエロ役でいることに疲れてしまって、「素の自分ってなに!?」ていう状態になってしまった。ピエロキャラが浸透してしまったので、深刻な悩みを打ち明ける友人もいなくて、辛くなって睡眠導入剤を飲んだこともありました。それから高校を転校することになって、中学時代に遊んでいた仲間と遊ぶようになって……。完全に自業自得なんですが、わかりやすい転落人生を歩んでいました。

――そんな毎日を過ごされていて、大学受験に成功されたというのは驚きですね。

中学の時もそうでしたが、「このままじゃだめだ」「抜け出そう」と決心さえすれば、きっぱりと日々を変えることができる性格なんです。高校時代も3年生のときに「このままだとフリーターになってしまう。それは嫌だ!」と決心して、勉強漬けの毎日に切り替えて、なんとか大学に進学することができたんです。

――初めてのグラビア篠山紀信さんによる撮影でした。

すごく楽しかったです。撮影前に事務所の方と篠山さんにあいさつをしに行ったんです。「街山と申します。グラビアをやりたくて、篠山さんに撮影していただきたいんです。お願いします!」とお願いしたんです。そのときに篠山さんからいただいた言葉で、私はグラビアの世界で生きていく覚悟ができました。

――どんな言葉だったんですか?

秘密です。でもこんな小娘に対しても篠山さんは真面目に応対してくれました。とんでもなく緊張しましたが、それまでのふわふわした憧れのような気持ちが吹き飛んで、グラビアの世界で戦っていくんだという強い気持ちが芽生えたんです。

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