それから、フランス。日本でも春はほろ苦い野菜や山菜を食べてデトックスする季節ですが、フランスもそうらしいです。断食する人も多いようで、デトックス効果の高いエッセンシャルオイルを料理に取り入れたり。春になると、冬の間にためこんだ不要なものをからだの外へ排出するのは東洋も西洋も同じなんですね。

――ほかの季節に実践されている健康法はありますか。

 夏は特に白湯をよく飲むようにしています。冬瓜のスープとすいかも欠かせません。瓜はからだの熱を取ってくれますから。冬は生薬が入った入浴剤を使って、お風呂にしっかりとつかるようにしています。当帰(とうき)、陳皮(ちんぴ)、防已(ぼうい)、どくだみ、桂皮(けいひ)などが入った入浴剤を使うと、からだがぽかぽかと温まります。びわの葉をお風呂に入れるのもいいですね。すごく深く眠れますよ。

■自然のものを生活に取り入れたい

――コロナ禍においてご自身のなかで変わったことはありますか。

 家でのんびり過ごす時間が長くなったので、身近にある食材に関心が向くようになりましたね。たとえば、ハト麦。新陳代謝を促してくれるし、なによりおいしいので、ヨーグルトに入れたり、おにぎりに混ぜたり、お茶に入れたりします。そうそう、自宅の庭によもぎが生えているのも見つけました。「おなかを壊してもいまなら大丈夫」と思って、実験のつもりでおひたしやごま和え、ガーリックソテーなど、いろいろ試してみましたがイマイチ(笑)。今年の春はよもぎにしてみようと思います。

――身近なところにからだにいいものがあると気がつかれたんですね。

 考えてみれば、冬至にかぼちゃや小豆を食べて風邪を予防したり、1月7日に七草粥を食べてデトックスするのも、昔からの知恵ですね。年齢を重ねていくなかで、そうした自然のものを生活に取り入れる知識がある女性になれたらすてきだなと思います。知らないことがまだまだいっぱいあるから楽しい。季節や体質に合わせた食や生活の知識を一つひとつ勉強していきたいです。

常盤貴子/1972年、神奈川県生まれ。「愛していると言ってくれ」「Beautiful Life~ふたりでいた日々~」「グッドワイフ」など数々の主演ドラマが大ヒット。映画、舞台、CM、ナレーションなど多岐にわたって活躍する。初のエッセー集『まばたきのおもひで』(講談社)では、何げない日常を最大限に楽しむコツをユーモアたっぷりにつづる。

取材・文/大室みどり(編集部) 撮影/金 玖美 スタイリング/市井まゆ ヘアメイク/面下伸一(FACCIA)

※週刊朝日ムック「未病から治す本格漢方2021」より