川崎と同じく開幕から無敗(6勝0敗1分)の好スタートを切った名古屋でも、外国人が大きな戦力になっている。攻撃陣ではマテウスだ。正確無比な左足を武器に昨季チームトップの9得点をマークしたブラジル人。今季は福岡との開幕戦で試合開始早々にゴール前で絶妙な股抜き&シュートフェイントで相手DFを手玉に取り、最後は再びGKの股の間を素早く打ち抜く電光石火の先制ゴールを決めた。さらに、この試合で2点目を決めると、その後も組織の中で自慢の個人技を発揮し、攻撃にアクセントを加えて勝利に大きく貢献した。

 その後も好調を維持し、3月17日の第5節・横浜FC戦でもゴール前のこぼれ球に反応して、冷静に左足を振り抜いて3点目をマーク。名古屋の守備陣ではGKランゲラックが今季も好セーブを連発しているが、攻撃陣での“違い”はマテウスが作り出している。

 DF陣では、序盤戦のサプライズとなっている鳥栖の守備を統率するエドゥアルドだ。2013年に来日し、鳥取(J2)、栃木(J2)、柏、川崎、松本を経て2020年から鳥栖に加入したブラジル人センターバック。昨季の活躍も素晴らしかったが、チームキャプテンに任命された今季はさらに存在感を増し、強さと巧みさ、そして賢さを融合したディフェンスでピンチの芽を摘み、チームの開幕6試合連続無失点に大きく貢献した。

 高いビルドアップ能力も発揮し、左足のパスで攻撃の起点になれば、3月20日の第3節・仙台戦では、5対0と圧勝した中で、自らもCKからのこぼれ球に左足を振り抜いてチーム2点目のゴールを奪った。来日時は無名の存在だったが、日本でキャリアを積み、柏時代の2014年にU-21ブラジル代表に招集(登録名・ドゥドゥ)された。その後は、なかなか安住の地を見つけることができなかったが、鳥栖では守備の大黒柱として今季は出色のパフォーマンスを見せている。

 今後、新型コロナウイルス対策によって来日が遅れていた新外国人選手たちが、コンディションを上げてチームに合流する。彼らがどのようなプレーを見せるのか。ピッチ上でどのような“違い”を生み出すのか。楽しみは、まだまだこれからだ。