同番組は1959年に放送が始まったが、当時の放送は午後1時台だった。その後、60年代に午前10時台、70年代に9時台と、何度か放送時間が変更され、1997年には8時35分に。2010年からは8時スタートが定着していた。7時台への移行は、今回の改編が初めてである。

 放送時間見直しの背景には、主な視聴者層である「保育園児」と「幼児園児」の朝の視聴時間の違いがあるという。NHK放送文化研究所の調べによると、視聴時間のピークは、保育園児が午前7 時台、幼稚園児が8 時から8時30分だった。NHK広報部はこう話す。

「国の統計によると、ここ10年ほどのあいだに保育園児は約60万人増加し、幼稚園児は約46万人減少しています。さらに、増加している保育園児の生活実態について調べたところ、その66%が、朝8時ごろまでに登園のために家を出ることが分かったのです」

 つまり、これまでの同番組の放送時間である8時~8時24分に、在宅している子どもたちが少なくなったのだ。

「今後も保育園児が増加していく見込みであることから、より多くの子どもたちに視聴していただくために、放送を15分前倒しすることにしました」(NHK広報部)

 2歳になる保育園児を持つ記者の場合、登園のために家を出るのは8時5分ごろ。急いで朝食を済ませ、7時45分に「おかあさんといっしょ」をつけると、娘は「は・み・が・き・じょうずかな~」の歌につられて、嫌いな歯ブラシを自分から握った。夫と思わず叫んだ。

「ありがとう、Eテレ!」

 新しいタイムスケジュールに戸惑うのは親ばかり。子どもは案外柔軟なのかもしれない。

(文/曽根牧子)