清宮はなかなか殻を破れず、今年のオープン戦でも13試合出場で打率・167、0本塁打。プロ4年目で故障以外では初の開幕2軍スタートとなった。

 一方、吉田輝星についても、「完成度は1軍レベルではない」の声が多い。金足農業で3年夏に準優勝に導いたエース右腕は18年ドラフト1位で入団したが、変化球の質はまだまだ低く制球も良いとは言えないため、カウントが苦しくなり甘くなった直球を痛打される。もっとも吉田についてはバッテリーを組む捕手の配球についても疑問の声が多い。2日のロッテ戦も宇佐見真吾が吉田の良さを引き出しているとは言い難かった。

 レギュラーを脅かす若手の台頭がなく、軸となる正捕手が固定できずに投手の台所事情も苦しい。課題が山積みの状況で、ファンの心も離れている。コロナ禍で札幌ドームの観客収容人数の上限は20000人だが、吉田が登板した2日は9150人。他の試合でも空席が目立つ。

「栗山監督に対する日本ファムファンの風当たりが強いのは確かです。19、20年と5位に低迷したにもかかわらず、昨オフにフロントは続投を決断した。下馬評が苦しい時の日本ハムは強いと言われていますが、今年は戦力的にもかなり厳しい。栗山監督の采配にも疑問の声が多い。今年は進退をかけたシーズンになると思います」(同前)

 逆境からはい上がり、北海道を熱く盛り上げられるだろうか。(牧忠則)