「思い返せば、最初にこうした特殊な技能で注目を集めたのが、2期生で19年に卒業した伊藤かりん(27)でした。彼女は、1期生のオーディションに不合格となり、その後に2期生としてグループに加入しています。存在感のあるメンバーがひしめいているなかでなんとか個性を出そうと、将棋の分野で存在感を発揮。将棋アマチュア初段保持者でもあり、将棋親善大使を務めたり、ネットの将棋番組でゲスト解説を務めたりするなど、卒業後も将棋界のアイドルとなっています。この“将棋枠”は現在、3期生の向井葉月(21)に受け継がれていて、伊藤が司会と務めていたNHK Eテレの『将棋フォーカス』で後任の司会となっています」(放送作家)

■女子アナ組とソロ活躍組も存在感を発揮

 アイドルグループの人気に陰りが見え始めている昨今、卒業後も芸能一本で身を立てていくのは相当の覚悟と才能がなければ困難だろう。乃木坂46メンバーのように、特殊技能をグループ所属時代から磨いて、次のステップへつなげていくという戦略は時流にあった選択肢なのかもしれない。

「元1期生で日テレのアナウンサーになった市來玲奈(25)などは、アイドルはひとつの通過点という認識で早々に学業を優先して卒業していきました。また、大学に通いながらテレビ朝日のアナウンサーに合格した斎藤ちはる(24)なども、ある意味、技能系です。アナウンサーとしては、正直まだまだ本読みも甘く、ネットニュースなどで同期のアナウンサーたちと比較されたりもしていますが、番組で乃木坂46のメンバーと絡んだりもしているので、常に存在感はありますしフリーアナになっても食いっぱぐれないでしょうね」(同)

 もちろん、白石麻衣(28)や生駒里奈(25)など、タレントやモデルとして活躍する元トップアイドルたちも健在だ。生田絵梨花(24)は、アイドル活動を並行して音大に通い、ミュージカルでも実力を発揮している。5月から大人気ミュージカル「レ・ミゼラブル」でヒロインを演じる予定で、まさに期待の星だ。

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