「報告書を見て、こんなひどいものだったのかと呆れると同時にこんな競馬場で仕事していたのかと恥ずかしくなった。馬券事件はすでに報じられていたからわかっていたが、セクハラまでとはビックリだ。確かに、D調教師は口が悪い。しかし、競馬場で働く女性にとんでもないセクハラしていたのには、たまげた」

 笠松競馬場ではオグリキャップの業績をたたえる「オグリキャップ記念」を重賞レースとして創設し、毎春に実施してきた。

 だが、馬券事件が深刻となり、現在はレースが中止されている笠松競馬場。オグリキャップ記念も開催されない。先の厩務員はため息をついた。

「もう笠松競馬場は立ち直れない、廃止されるのかとよく噂される。あまりに闇が深い馬券事件、セクハラ問題の報告書を見るとやむを得ないかもしれません…」

(今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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