<グループ購入していた騎手は、夕食後に集まり、自分の騎乗する馬の情報を持ち寄り、購入する馬券について相談>

<購入の指示は携帯電話で購入する馬券と金額を記載したメモの写真を送信>

<A調教師の妻は、購入を指示された馬券をインターネットサイトで購入>

そして、的中馬券の収益については以下のように記されていた。

<A調教師夫妻への払い戻し金額は8000万円と高額な収益>

<妻の口座から(的中馬券の払い戻しのカネを)現金で引き出し、分配>

<馬の調子を答えた騎手にはレース後に馬券をグループ購入したものから金を供与>

<騎手らの代わりに馬券を購入する手数料として、儲けの1割をA調教師の妻のものとすると取り決め>

「成功報酬」「情報提供料」を払っていたという悪質さが垣間見える。

 関与していた11名はグループ購入で得た収益を税務当局に修正申告をしたという。委員会は競馬法違反の馬券購入だけにはとどまらず「収賄罪」にも該当すると強く非難している。

 さらに馬券事件が発覚後、収益を上げるため、競走馬の着順を意識的に下げる八百長行為があったのではないかと、疑われていた点について、委員会は結論をこう記している。

<複数人から、騎手らによるいわゆる八百長があった旨の供述を得たが、自己評価にとどまるものであり、八百長を指摘されたレースも一定ではなく、事実認定するには至らなかった>

 八百長疑惑は残るが、確証がなく、「グレー」というのだ。昨年夏に馬券事件で引退に追い込まれた、元調教師は自身のブログでこう綴っていた。

<自分が買ってはいけない馬券を購入してしまった事につきまして、沢山の方々にご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません>

 そして岐阜県警の強制捜査でグループ購入の最大の物証である馬券の買い目のメモについて次のように記している。

<買い目の書いてあるメモが入ってるカバンを刑事さんが調べ出した。『この紙何?』とりあえずダメ元でしらを切ってみた>

次のページ
繰り返された女性厩務員らへのセクハラ