カーティス:「ここで寝かせると、夜寝てくれないんじゃないか」と心配しがちですが、その後を機嫌よく過ごすためにも仮眠が必要なんですね。

愛波:日本人のママは食事のことにも一生懸命ですが、お迎え時間が遅い日は、おにぎりを持って行って帰りにすぐ食べさせ、家では具だくさんみそ汁で済ませるのもありだと思います。なるべく早く寝かしつけることのほうが大切です。保育園児なのに10時に寝ているご家庭もありますが、それはちょっと遅すぎます。小学生でも、最近は塾に通う子が多いから、寝る時間が遅いですよね。なるべく早く寝てほしい。

カーティス:うちの子もけっこう遅く、9時半くらいになってしまいます。

愛波:本当は8時に……と言いたいところですが、9時には絶対寝ていてほしいです。うちの子どもたちは8歳と5歳ですが、8時半には寝かせています。朝起きるのは6時半か7時。それくらい寝ないと疲れがとれないだけでなく、睡眠不足が不登校やADHD(注意欠如・多動症)の原因となる可能性もあることが科学的にわかっています。

カーティス:愛波さんは世界中に生徒さんがいて、睡眠コンサルタントになる方もどんどん増えていると思いますが、活動されているのはメソッドを知ってほしいからですか? それとも睡眠コンサルを受ける文化を日本に広めたいとお考えですか?

愛波:どんな寝かしつけ方法でも、親が幸せならいいと思っています。私がこの活動をしている理由は、保育者の方たちがひとりでも多く、乳幼児の睡眠の悩みから解放されてハッピーな子育てができるようになってほしいからです。睡眠の悩みは必ず改善します。お子さんの睡眠の悩みが改善されると、ママ・パパ(保育者)も充分な睡眠がとれるようになる。それにより、パパもママも子育て以外で輝ける場所ができ、人生を楽しんでもらえたらというのが究極の目標です。睡眠のことで迷っていたら、悩んでいたら、もっともっと助けを求めてほしい。質のいい睡眠を小さなころからプレゼントすることは、子どもにとって一生の宝になります。

(構成/高丸昌子)

◆プロフィール
あいば・あや/日本人初の乳幼児睡眠コンサルタント。IPHI日本代表。慶應義塾大学教育学専攻卒。2012年に長男、2015年に次男を出産。米国IPHI公認資格(国際認定資格)取得。現在、ニューヨークを拠点に企業やイベント講演を行うほか、子どもの睡眠に悩むママ・パパ向けのSleeping Smart子育てサロン、睡眠・子育て・教育について配信する愛波LIVEを運営。IPHIと提携し、オンラインで妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。著書に「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社)、「マンガでよむ ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社)、監修書に「ママにいいこと大全」(主婦の友社)。
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かーてぃす・ゆうこ/1989年生まれ。ニューヨークを拠点に、3歳と0歳の子ども、アメリカ人の夫と暮らす。大学卒業後、東京の外資系金融に入社し、その後ニューヨーク本社に転勤。2019年10月にママ友マッチングアプリ「MAMATALK」をリリース。MAMATALK公式Instagramでは、子連れお出かけスポットの紹介やインスタライブを発信中。また、次世代アーティストとデザインコラボする、オーガニックコットンのベビーブランド「Little Gifted」も展開中。