「広島は地方都市なので、同じような成績でも露出度は巨人阪神の選手には劣る。それを補うだけのインパクトはある。『掴みはオッケー』なので、あとはチームに貢献すること。野球とルックス(=パンチパーマ)が合わされば、鬼に金棒。矢野は全国区の知名度を残せる可能性は十分」(在京テレビ局関係者)

「カープ女子を生み出した要因には、チームが強くなったのとともに個性溢れる選手の存在もある。鈴木誠也、菊池涼介など、現在の主力選手。米国帰りの黒田博樹、イジられキャラの新井貴浩など、盛り沢山だった。以前ほどの爆発的人気に陰りも見え始める中、人気部分でも矢野への期待は大きい」(在京スポーツ新聞記者)

『パンチパーマ』お披露目当初はキャラ先行感もあった。しかし実戦での起用が増えるたびに、戦力としての評価も高まっている。伝統である「足を使った細かい野球」を目指す広島において、使い勝手のよい選手であることは間違いなく、出場する機会も自然と増えていく可能性もある。

「上手くなりたいという思いしかない。一軍で出て活躍したい」(矢野)

『パンチパーマ』は目立つための手段であって、本人はただ野球の上達だけを見据えている。練習を沢山して球界を代表する選手になる。球団の伝統を受け継ぐ選手が、また1人現れた。矢野の存在は、小園など同年代の“刺激”としても効果を発揮するはずだ。

 ここ2シーズンの低迷から広島は現状、チーム再建中との見方もできる。だが、矢野ら若手が切磋琢磨し戦力となれば、決してリーグ制覇の可能性がないわけではない。今年の広島は今後を占う意味でも非常に重要なシーズンとなる。