そして、お金。例えば、YouTubeは再生回数に応じて収入が決まる。それを関係者で分配するわけだが、携わる人がテレビよりも圧倒的に少ないので、取り分は大きくなる。

「かつてテレビで活躍し、YouTuberに転身したお笑い芸人の収入は月1000万円とか。元アイドルは月600万ほど。そこに携わるスタッフの収入は契約にもよるが、タレント、プロデューサー、スポンサーが関わっていれば33%ずつ配分することもある。1再生5円クラスの有名YouTuberなら、100万回再生されれば単純計算で500万円入ってくる。お金の面ではテレビとは雲泥の差があります。プロデュースしているタレントの中には、テレビに一回出る度に長時間拘束されて1本5万円、10万円の人もいますから、どちらが効率的かわかってきた人が増えてきたと思います」

 テレビの競争相手として動画配信サービスはなかなか手ごわいように思えるが、前出の影山さんは、YouTubeからテレビに「逆輸入」する若手に期待している。

「フワちゃんを例に、YouTubeで話題になってから、テレビで活躍する若手がいるように、もっとテレビの出演者が若返って、若い層にアプローチできるようになれば、YouTubeからテレビに戻ってくると思います。YouTuberは毎日のように配信し、視聴者を獲得しなければならないので負担がある。テレビは“オワコン″と言われても、まだ影響力が大きいメディアではあるし、日常とは少し違って華もある。レギュラーを取れば出演が保証されるといった面でも利点はあると思います」

(AERA dot.編集部・岩下明日香)